追手門学院小学校の5年生の生徒約140名たちに、我妻会員(あずま脳神経外科リハビリクリニック理事長の)が出前授業を行いました。授業のタイトルは『脳のヒミツを探れ!』です。
最初に脳外科手術とカテーテル手術の動画を通じて、脳外科手術の難しさを説明されました。怖くて顔を伏せてしまう生徒がいる一方、真剣に見入る生徒もいました。
脳神経外科医を選んだ理由を説明するとき、イソップ寓話の『3人のレンガ職人』を引き合いに出されました。下記に授業の一部を紹介します。
同じ仕事をするにしても、楽しさや目標、なぜその仕事をするのかを考えるかどうかで、仕事への取り組み方や内容が違ってくる。
1人目のレンガ職人は『この仕事はつまらない単純作業だ』と。2人目は『家族の生活のためだからしかたなく』と。そして3人目は『後世の人々の心のよりどころとなる大聖堂を建てようとしているのだ』と。
同じ仕事をするにもそれぞれ3通りの考え方がある。将来職業を選択する時には、1人目や2人目のレンガ職人のように自分本位にならないで、3人目のレンガ職人のようにその職業を通じて相手にとって喜んでもらえるような気持ちで職業についてほしい。
ロータリークラブの基本的な活動に、職業奉仕というものがある。自分の職業を通して、人に喜んでもらえたり、人のためになったり、人の役に立てるような仕事をしようと努めている。そうすることが自分の職業が意義あるものになる。
人間は行動する生き物だ。じっと座ってばかりいたり寝てばかりしていてはダメ。適度に動いて歩いたりしてて運動をしないと、からだにゆがみや痛みが出て、動くのが嫌になり、そのうち健康を保てなくなる。
脳神経・交感神経・自律神経などあらゆる神経が目・鼻・体のバランスなどいろいろな部位に影響を与え動かしている。脳の役割はそれらのチームリーダーだ。
脳を元気にするためには、自分の行動をコントロールし、よく学びよく動き、バランスよく食べ、しっかり寝る時間を作る必要がある。
脳はからだの血液の20%を使うくらい大量の血液が必要なところ。ご飯をバランスよく食べ身体を元気にすると脳も健康でいられるようになる。
たくさん考えて脳を元気にしよう。考えることは脳にとても良い刺激になる。勉強したり本を読んだり、いろんな問題を解いたりすると脳はどんどん元気になる。
脳梗塞・認知症などにならないようにするために、高血圧や糖尿病にならないように注意することが大事。
お腹も大切。腸内細菌と環境が大切だ。腸内細菌はお腹の健康を維持してくれる。腸内の状態が悪くなると腸内細菌が悪さをし、脳にも影響を与える。
授業の終わりには、時間の都合で答えられなくなるほどたくさんの質問が出ました。5年生の子供たちにとっては難しい内容の授業だったにもかかわらず、彼らの学びに対する積極性、真剣さにはたいへん感心させられるものがありました。


